こんにちは。新学年が始まり、受験へ向けて家庭教師などを検討されるご家庭も多いのではないでしょうか。今日は家庭教師や塾を考える際に候補になりうるオンライン授業について、考えてみたいと思います。
— 現役京大医学部生が語る“オンライン指導”のリアルとワーママ視点の選び方
コロナ禍を経て、教育の現場は大きく変わりました。塾や家庭教師も例外ではなく、今や多くの指導がオンラインで提供されるようになっています。
子どもの受験サポートをしているワーママにとって、オンライン家庭教師は一見とても便利に見える選択肢です。送り迎えが不要、自宅で完結、全国の優秀な大学生や先生とつながれる…。けれど、実際のところ、本当にオンラインで十分なのでしょうか?
今回は、我が家の京大医学部生がオンライン家庭教師として教えた経験をもとに、「オンライン家庭教師ってどうなの?」という疑問について考えてみたいと思います。
オンライン家庭教師は“便利”? ワーママ視点でのメリット
共働き家庭では、時間もエネルギーも限られています。親しかできないこと(たとえば学習計画の見直し、声かけ、生活リズムの調整など)に集中するためには、勉強そのものの指導はプロに任せるのがおすすめです。
ただ、家庭教師をお願いするとなると、
- 自宅に上がってもらうことへの心理的ハードル
- 毎回のスケジュール調整
- 高額な費用
など、現実的に乗り越えなければならない壁がいくつもあります。
その点、オンライン家庭教師は、自宅の場所を問わず、全国どこにいても優秀な講師に指導をお願いできるという大きな魅力があります。
たとえば、「どうしても東大生や京大生に教えてもらいたい」と思っても、対面指導だとその大学の近くに住んでいない限り難しい。でも、オンラインならば場所の制約を受けません。海外に住んでいても、東大生や京大生から1対1で授業を受けることが可能です。
でも本当に“お得”? オンライン指導の限界
実は、我が家の京大医学部生も、実際にオンライン家庭教師として指導したことがあります。受験を終えた側の視点から見ると、「オンライン指導はやりにくい」というのが正直な感想だったようです。
その話を少しご紹介します:
「オンラインだと、生徒さんがどこでつまずいているかが本当に見えにくいんだよね。どこまで理解できているのか、どこで止まっているのかが、表情や反応だけではわからない。問題文を読んでいるのか、考えているのか、ペンを動かしているのか、画面越しでは判断しづらいんだよ。」
特に、
- 小学生
- 中高生でも基礎に不安がある場合
には、トップ大学の学生からオンラインで習うよりも、同じような苦労を経験してきた“地元の大学生”に対面で教えてもらう方が、効果的なケースが多いと思う、とのことです。
プロ家庭教師の現場感覚:対面でしか拾えない“学びのサイン”
知り合いのプロ家庭教師の先生も、こんなふうに話されていました。
「生徒のペンの持ち方、筆圧、問題文を読むときの目線の動き…そういった非言語的な要素を総合的に観察して、“なぜわからないのか”を判断しています。これは対面じゃないとわかりません」
こうした細やかな観察を通じて、学力の“壁”の正体を探るのがプロの仕事。オンラインでは、どうしてもその部分が見えなくなってしまうという現実があります。
「便利さ」と「学習効果」どちらを優先する?
オンライン家庭教師は、特に高学年やある程度自走できる子どもにとっては、非常に便利でコスパの良い選択肢かもしれません。でも、まだ学習の土台ができていない段階でのオンライン指導は、親が思うほど効果を発揮しないこともあります。
「時間をかけずに良い指導を受けさせたい」というワーママの願いと、
「子どもに本当に必要なサポートは何か?」という現実を、どうすり合わせるか——
実際に家庭教師として教える側の立場になった医学部生の声から、そのヒントを探っていただけたら嬉しいです。